地図

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脳の地図

      脳の地図について

脳の地図とはどういうことでしょうか?


実は脳の中は、まるで地図を描くかのように正確に分類されているのです。



19世紀のオーストリア人医師のガルは、頭蓋骨の形や場所によってヒトの性格

や素質が分かるという骨相学というものを提唱しました。



当時、一般の人には興味本位で受け入れられましたが、しかしながらこれは科学的

根拠が全くないものでした。



頭蓋骨ではなく、脳には特別な役割を担った場所がたくさんあります。



その特別な領域ごとに野(や)と呼ばれる地図でいうなら住所にあたるものをそれ

ぞれにつけ、脳の中の地図を描いたのが後のドイツの解剖学者 ブロードマンです。



それは、脳を機能的に分けたというよりも、ニューロン(神経細胞)の種類や

形状によって分けられたものであり「ブロードマンの脳地図」と呼ばれました。




さらに20世紀中ごろカナダの脳外科医 ペンフィールドは、てんかん患者の手術を

患者が覚醒している状態で行い、手術中に小さな電極を脳の各領域に当てて、

どの脳の領域が身体のどの部分に対応するのかを調べました。



ペンフィールドは、ラテン語で「小さな人」という意味のホムンクルスの模型を使い、

触覚や温度覚、痛覚や内臓感覚などを感知する脳の体性感覚野の地図を描き

表し、身体の表面の運動をつかさどる部分との比率を表しました。



このホムンクルスの模型で、実際の人間の身体各部分の比率よりも、唇や舌、

そして手などがとても大きくなっているのはその部分がとても敏感であるということの

あらわれなのです。




このような歴史を歩んできた脳の地図ですが現代ではさらに細分化され又、進化

した状況へと移り変わってきています。。



ヒトの前頭葉には、運動に関する運動野があります。また、創造性や物事

を考えたり、目標を持ってそれに向かうなどの役割も前頭葉にあります。


また前頭葉の左半球には、言語に関するブローカ野もあるのです。

頭頂葉には、触覚や温度覚、痛覚や位置覚などの中枢である体性感覚野

があります。



側頭葉には、聴覚に関する領域があり、言語や記憶の処理も行っています。

記憶に関して重要な海馬も側頭葉にあり、「側頭葉てんかん」が好発する場所です。



後頭葉は視覚に関する領域の第一次視覚野があります。


つまり視覚とは、ものが網膜に映り、それが信号に変換されて視神経を通り脳で

ものを見るのです。


3次元の視界を2次元の目でみるためには、様々な補正が必要になってきますが

その補正作用も脳が行います。また、その脳の補正機能によって目による錯覚

が起こることがあります。それを、「錯視」と呼んでいます。



「カニッツァの三角形」と呼ばれている図形では、描かれていない三角形が見え

たり、「ヘルマンの格子」と呼ばれる図ではあるはずのない灰色の点がみえるたり

することはご存知でしょう。




次に例えば、左脳の視覚野に障害が起こったとします。視神経は交叉している

ので、左側の視野は正常ですが、右側の視野が見えなくなります。


このような左脳の視覚野に障害を持つ人で、ある実験を行いました。

この実験は、見えないはずの右側で光を点滅させて、どこで光ったかをこの人に

に強制的に答えてもらうというものです。


結果、その人は「あえていうなら右側で光ったような気がする。」と答え

ました。



このことからも脳は、視覚の地図の中のニューロンのネットワークで補正をしあい

ながら「見えないもの」でも見ることができるということが実証されたのです。











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