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意識について
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意識とは自分自身の精神がどのようになっているのか、また自分の身体が
どのような状態であるかを理解していることなのです。
デカルトは意識の中心を脳の中の松果体にあるといいました。
意識についての3つの学説を簡単に紹介したいと思います。
ジェームズ・ランゲ説
脳が刺激を受けて、身体に生理学的な変化が起こってから、情動経験
(喜怒哀楽を表すこと)が起こという説です。
「悲しいから涙が出るのではなく、涙が出るから悲しい」 「うれしいから
笑うのではなく、笑うからうれしいのである」
キャノン・バード説
違った情動経験(喜怒哀楽を表すこと)をすると、生理学的反応(身体の反
応)が起こり、脳の視床下部に情動の中心があるという説です。
パペッツの回路説
情動の中心が、脳の視床や視床下部にだけあるのではなく、1つの脳の回路
の中にあるという説です。
海馬→脳弓→乳頭体→視床前核→帯状回→海馬という回路によって情動
が作られるというのです。
後に、パペッツの回路は意識に深く関係するというよりも、記憶に密接に関係
していることが分りました。
それでは、意識と無意識はどのように違うのでしょうか?
無意識は意識が無い状態というよりも、「気づいていない」といった方が
良いのかもしれません。
心で感じる意識、すなわち脳の中では意識に上ってくる認識よりも、もっと
多くのものが、無意識下には存在するのです。
脳は都合の悪い事や、理解しがたい辻褄の合わない事などは、意識の下に
ある無意識の世界にしまい込んでいます。
脳が理解できるものだけを、意識として選択してるのです。
無意識があるからこその意識だといえなくもありません。
次に身体で感じるもので心臓の動きですが、これは意識して動いている訳では
ありません。呼吸も意識して行なっているわけではないのです。
心(精神)が乱れると、心臓の動きが不規則になったり、呼吸も乱れます。
意識と心は、ほぼ同じものだといえるでしょう。
アメリカの神経学者 ベンジャミン・リベットは、無意識が決定した後に意識
がそれを認めるといっています。
例えば、指を動かそうと意識する約0.5秒前に、指は動いていたのです。脳には
約0.5秒のタイムラグがあるということなのです。
意識は前頭葉の働きによって生まれます。動物のなかで一番、前頭葉が発達
しているのはヒトなのです。
脳と意識の関係はニューロンのネットワークと密接に関係していてるのです。
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